ITパスポートを取ろうと思っているけどITは全くの素人。どうやって勉強したらいいのだろう。
合格までの勉強時間が100〜150時間とも出てくるが、簡単すぎるという意見もあって、どれを信じたらいいかわからない
ITパスポートの知名度も上がってきており、取ろうかなと思っている人も多いと思います。
受験料が7,500円もするので、落ちたくないし、あんまり時間もかけたくないですよね。
本記事では、公務員からITコンサルタントに転職し、IPAプロジェクトマネージャ資格を持つ私が、ITパスポートの勉強法について解説します。
- ITパスポート合格までの勉強時間があてにならない理由
- ITパスポート合格までの最短勉強法
ITパスポート試験は国家試験
ITパスポート試験とはなんでしょうか。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
出典:ITパスポート試験:iパスとは
ITを利活用する人に対する試験であるため、情報処理試験の中で最も難易度は低いですが、ITを専門としない企業の方や、ITを専門とする企業に就職したい場合の入口として最適です。
ITパスポートを受験する意味については、以下記事もご参考にしてみてください。
なお、試験はCBT形式というパソコンで受験する形式をとっており、また毎月開催されているため、受験するためのハードルがとても低い試験です。
気軽に受けられる国家試験なので、一発自信をつけたい場合はオススメです。
ITパスポート試験の内容
ITパスポートは、4択形式の100問が出題され、うち難易度の高い8問が採点対象外のようです。
1,000点満点のうち600点以上で合格ですが、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれの分野で300点以上得点する必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 120分 |
出題数 | 小問:100問(*1) |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術) :45問程度 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること 総合評価点 600点以上/1,000点(総合評価の満点) 分野別評価点 ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式(*2) 受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。 |
採点方式 | IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。 |
(*2)身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方のために、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、筆記による方式の試験を実施します。詳しくはこちらをご覧ください。
出典:ITパスポート試験:試験内容・出題範囲
6割取れれば合格ですが、各分野満遍なく勉強する必要があるということです。
なお、合格率は50%台で推移しているので、落とすための試験というよりは、しっかり出題範囲の内容が頭に入っていれば十分合格できる試験になります。
ITパスポート合格に必要な勉強時間は人それぞれ
一般的には、100時間から150時間前後と言われているみたいですが、いろいろ情報を集めれば、10時間で合格した人もいれば、無勉強で合格した人もいるようです。
つまりは、ITパスポートの合格に必要な勉強時間は人それぞれが結論です。
その理由は以下の2つです。
勉強時間が当てにならない理由1:バックグラウンドが違う
ITパスポートはIT利活用に関わる人なら誰でも受けられる内容の試験です。
そのため、受験者のバックグラウンドが様々です。情報系の大学生やIT・ウェブ系に就職した新入社員から、中高年で今までITに無縁だった人まで幅広いようです。
当然、少しでもITに関わってきた人には知識がありますので、その時点で全くITに関わってこなかった人よりは学習時間は減ります。
10時間で合格している人もいるのだから、自分もギリギリまで勉強しなくていいや、と思えるかどうかは人によるのです。
また、人によって吸収するスピードも違うので、当然学習時間に差は出ます。
勉強時間が当てにならない理由2:正確に勉強時間を測っていない
勉強時間を律儀に測っている人はどれほどいるのでしょうか。
例えば毎日夜9時から11時までの2時間を勉強時間とする、と言ってできる人は、30日で60時間やりましたと言えるのかもしれません。
しかし、社会人でまとまった時間を取れる人は多くないでしょう。
となると、通勤時間や昼休み、あるいは寝る前のちょっとした時間など、細切れの時間を活用することが必然的に多くなると思います。
これらが考慮されていない場合、勉強時間が過少申告になっている可能性があります。
とはいえ、理由1がほぼ全てだと思うので、勉強時間は気にする必要がないでしょう。
ITパスポート合格のための最短勉強法
では、最短合格のためには、どのようなステップで勉強したら良いのでしょうか。
結論から言えば、アウトプットを先に行い、インプットで補う、というような、アウトプットメインの学習をオススメします。
なぜなら、がむしゃらにインプットしても記憶が定着せずに時間がもったいないからです。
特にITパスポートのような比較的優しい試験であれば、過剰に勉強する必要はありません。
選択式なので、過去問解きつつ出題の傾向を掴んで、問題に慣れることが最も早く合格できる道です。
具体的な勉強方法を見ていきましょう
ステップ1:直近の過去問を解く
公式サイトでも過去問が見れますが、PDFだと答え合わせがしづらいので、以下のサイトがお勧めです。
また、スマートフォン用のアプリたくさんあるようですので、まずは直近の問題を解いてみましょう。
ステップ2:過去問の解答率に応じてインプットする
意外と解けた(6割目安)場合
おそらくですが、すでに何らかの経験か知識があると思います。
ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のどれが弱点かを確認し、足りないところを重点的に補うような勉強でよいと思います。
そもそも簡単すぎるというのであれば、ITパスポートは取らずに、その上位資格である基本情報処理試験を受けてもいいかもしれません。
全く歯が立たない
全く歯が立たなかった場合、あるいは2択まで絞り込めるんだけど結構間違えた場合は、基礎的な知識を身につけるところからスタートすることをオススメします。
ITパスポートであれば、参考書を複数使う必要はありません。自分に合った1冊を読み込んでいただいた方がよいかと思います。
特に初学者用の学習本は浅く広く書いている傾向があるため、自分の中に知識がない場合は、似たような参考書を複数使っても混乱するだけになります。
自分の興味ある分野やこの仕組みをさらに踏み込んで理解したい、というものが出てきたら、必要に応じてググって調べるか、関連のやさしい本を読んでもいいでしょう。
参考までに私が使用した本をご紹介しておきます。
まずメインにしたのはこの本でした。文章だけの本だと苦痛を感じそうだったので、イラスト付きにしたのが、最初はよかったですね。
令和05年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 [ 栢木 厚 ] 価格:1,738円 |
あとは、分野によってイラスト図解式シリーズを読んでいました。
見開き2ページごとに各テーマがイラスト付きで説明されているので、頭に定着しやすかったです。
イラスト図解式 この一冊で全部わかるサーバーの基本 第2版 [ きはし まさひろ ] 価格:1,870円 |
イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本【電子書籍】[ 小林 恭平 ] 価格:924円 |
ステップ3:再度過去問を解く
参考書を1周読み終えたら、最初に使用した過去問サイトかアプリを使って再度過去問を解いてみてください。
もう一度過去問を解くのがめんどくさい、または解くのが怖いということから、何周も参考書を読み込む方がいますが、これは時間の無駄だと思います。
1回インプットしたら必ずアウトプットして、インプットの定着率を確認し、定着していないところがあったら再度確認するスタイルを何度も回す方が記憶に残るでしょう。
アウトプットを後回しにしたい気持ちはとてもよくわかります。本を読むインプットの方が楽ですから。ただ、インプットだけだと定着はあまりしてなくって、結局後悔しちゃうんですよねぇ…
過去数年分解いて6割以上取れるようになるまで、「過去問を解く」⇔「間違えたところを参考書で読む」を繰り返します。
試験日前日でも会場が空いていれば申し込みできるので、手応えを感じてから申し込めばよいでしょう。毎月実施しているので、次月まで待ってもいいですしね。
まとめ
まとめです。
ITパスポート試験合格者の勉強時間が当てにならない理由は、以下2つでした。
- 理由1:バックグラウンドが違う
- 理由2:正確に勉強時間を測っていない
また、ITパスポート試験合格の最短勉強法は以下でした。
- ステップ1:直近の過去問を解く
- ステップ2:過去問の解答率に応じてインプットする
- ステップ3:再度過去問を解く
ステップ2と3を繰り返していかに早く理解を定着させるかが最短合格のコツですね。
勉強してみて面白そうならさくっと合格して自信をつけて、上位資格を目指しましょう。
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