せっかく勉強して公務員になったのに想像と違った…
まだ公務員になって間もないけど辞めてもいいのかな…
若手公務員ほど理想と現実のギャップに苦しみ、公務員を辞めたいと思っている人は多いと思います。
それでも、せっかく公務員になったのだからと踏ん張る人も多いです。
私は20代で民間企業への転職活動を行い、内定を辞退して公務員に残ることを選択し、その後30代で結局民間企業へ転職しました。
その経験から、本記事では公務員を辞めたいと思っている20代が取るべき行動をお伝えしようと思います。
本記事を読めば、辞めたいと思っている現状から一歩抜け出し、次に取るべきアクションが明確になります。
そもそも論で辞めたい気持ちは普通です
20代で辞めたいと感じているあなたは今つらい状況かもしれません。
せっかく安定で人気な公務員になったのに、辞めたい気持ちが芽生えているなんて自分は異常なんじゃないかとさえ思ってしまいます。
ですが、安心してください。それはいたって普通の感情です。
地方公務員のメンタルヘルス不調による休職者は2%もいる
総務省が行った令和2年度の地方公務員のメンタルヘルス調査において、調査対象職員数に占めるメンタル不調による休職者(休務者)の割合は約2%でした。
2%というのは少ないかもしれませんが、注目すべきはその割合です。
休職者の年代は以下のとおりで、10〜20代が20%以上もいます。地方公務員の年代別比率から考えても、他年代と同等かそれ以上です。
地方公務員の普通退職者の35%は30歳未満
さらには、これまた総務省の令和3年度地方公務員の退職状況等調査においては、普通退職者の年代別割合で30歳未満が約35%を占めています。メンタルヘルス不調だけではなく、20代では辞める人が割合としては高いんですね。
たしかに、公務員の世界には特有の難しさがあります。
なので、新卒で入庁して辞めたい気持ちが芽生えても普通だと思いますね。
↓の記事では公務員のストレス要因を解説していますので、参考まで。
20代で公務員を辞めたい人が取るべき行動
じゃあ、もう辞めたい!となったとき、以下のステップで行動することをオススメします。
それぞれを詳しくみていきましょう。
STEP1:なぜ公務員を辞めたいのかを明確にする
まずは公務員を辞めたい理由を言語化し、紙に洗い出して整理します。
しっかりと言語化されていないと、なんとなく辞めたいという想いで進めることになり、仮に転職活動を行っても、うまくいきません。
公務員が辞めたい理由の例を挙げてみます。
- 周囲の人間関係が良くない
- やりたい仕事に配属されない
- 仕事のやりがいが感じられない
- 給料が少なく、待遇に不満がある
- 公務員の文化や仕事そのものが自分に合わない
- 住民からのクレームが多くて嫌気がさす
より細分化して書ける場合は、できる限り細かく書きます。
例えば、「仕事のやりがいが感じられない」は、「住民から感謝された時や、自分の行動が組織の改善につながった時、やりがいを感じられるが、日々の業務は単調なものが多く、これを長年続けるのは耐えられない」といった形です。
細分化をすれば、現状の不満がピンポイントでわかるようになるため、解決策も明確になりますし、転職先を探すことになったとしても、ここで考えた内容を活用しやすいです。
STEP2:辞めたい理由は公務員のままでは解消されないのかを考える
次にやるべきことは、STEP1であげた辞めたい理由が公務員の職場では絶対に解消されないのかを考えます。
というのも、せっかく公務員になったわけですから、同じ職場内で不満が解消できるのであれば、これほど良いことはないですよね。
また、仮に転職活動を行った時に、面接官に100%質問される内容なので、用意しておくに越したことはありません。
例えば、「周囲の人間関係が良くない」のは、現在の部署の人間関係である場合、都道府県庁や政令都市などの職員数が多い職場ならばそれほど問題にならないかもしれません。
なぜならば、数年に一度人事異動があり、全く別分野に異動となればもう関わる機会がほとんどなくなるからです。
一方、「公務員の文化や仕事そのものが合わない」ケースでは、どの職場になったとしても、公務員特有の文化は大小問わずあるでしょう。
そういった場合は不満が解消されないため、次のステップに進む必要があります。
私はこの「公務員の文化や仕事そのものが合わない」ケースでした。
まとめると、このステップでは不満がどうなったら不満ではなくなるのか、どうやったら公務員のままで実現できるのかを考えることがアクションです。
STEP3:公務員を辞めてまでやりたいことを明確にする
その次にやるべきことは公務員を辞めてまでやりたいことは何かを明確にするということです。
ここで重要なのは、実際に転職できるかどうかは一旦脇に置いて、やりたいことを考えてみるということです。
というのも、公務員から民間企業に転職する場合は、スキルや実績が乏しいことを気にして、自分が何をやりたいかという視点ではなく、自分の経験を活かせるかどうか、を考えがちになるからです。
例えば、公務員で経理事務をやってきたが仕事が合わないという割に、経験がそれしかないから、民間でも経理事務の職種を探してしまうといった具合です。
20代ならまだポテンシャル採用が見込めますし、入庁して数年であれば、第二新卒としても応募できます。
業界や職種といった選択肢を絞らずとも、やりたい仕事に就ける可能性は高いでしょう。
ちなみに、リクルートが2024年に調査した異業種転職の実態調査において、転職者の51.4%は異業種転職で、近年は同業種にこだわらない転職を実現している人が増加傾向とのこと。
20代のうちは全然やりたいことベースで考えても問題なさそうです。
STEP4:転職エージェントに相談する
やりたいことが明確になったとして、学校に入るとか起業するとかではない限りは企業や団体に転職することになります。
民間企業に転職したいのであれば、転職エージェントに登録します。
よくまずは転職エージェントに登録して、エージェントに相談してください、といった記事もあるかと思いますが、私の経験上それはオススメしません。
その理由はエージェントの仕組みを考えればわかります。
エージェントは、求職者に仕事を紹介し、企業に採用されたら、採用した企業から紹介料をもらう仕組みです。
利用者は無料で利用することができますが、エージェントからしたら求職者は商品に当たるため、売れそうな商品を選びます。
そのため、必ず上記1〜3のステップ実施後にエージェントと面談するのが良いでしょう。
公務員を辞める理由が明確になっていない、あるいは合理性がない場合には、あまりいい反応がされないかもしれません。
公務員は民間市場において一般的にいいイメージを持たれていないため、一層見る目が厳しくなるからです。
しかしながら、逆を言えば、公務員を辞める理由が誰が聞いても納得できるものであれば、採用可能性ありということで、エージェントも頑張ってくれるでしょう。
転職サイトはどうかという話もありますが、部分的には使えますが、全部を転職サイトで完結するのはオススメしません。その理由は↓が参考になります。
20代の転職は早く動いた方がいい理由
一般的に転職活動は若い時に動き始める方がいいと言われています。これは、年齢を経ると求められるスキルや経験が増えるからです。
特に公務員の場合は、そもそも民間企業で求めるスキルとマッチしない部分があるため、年数を減れば経るほどアンマッチ度が乖離していきます。
私の経験談を少しご紹介します。
【経験談】私の20代の転職活動
プロフィールに詳細を記載していますが、私は20代の後半、2部署目が終わる頃に民間企業への転職活動を行いました。
当時はIT系の部署で仕事をしており、ITベンダーやSIerと密に関わって仕事をしていました。
関わっていたベンダーの方々は比較的大手企業が多く、官公庁部署専門の方々がほとんどでした。
IT系に転職したかった私は、業界に入り込めさえすればあとはいかようにでも再度転職すればいいと考え、対官公庁に力を入れているベンダーやSIer、コンサルに絞って転職活動を始めたのです。
確かに、20代でも即戦力を求めているようなところはそもそも書類選考で不合格、お呼びにもかかりません。
一方で、面接までたどり着いた場合は、ほとんどが内定か最終面接まで漕ぎ着くことができました。
それも当時の公務員の年収から1割から2割程度アップでのオファーだったのです。
転職活動をしてみるとわかることですが、新卒での転職活動とはだいぶ様相が異なります。
中途の転職活動では、書類選考でアンマッチな求職者がバサバサ切られていきます。これは、募集している企業側も、面接の負担を減らすことが理由でしょう。
そのため、面接に進んだ時点でスキル面、ポテンシャル面ではほとんどクリアされているのです。
そして、面接で聞かれるのは前述した、なぜ将来安泰の公務員を辞めるのか、という点が根掘り葉掘り聞かれます。
ここを突破できれば、採用の確率はグッと高くなると感じました。
【経験談】私の30代の転職活動
しかしながら、30代の転職活動ではそううまくは行きません。
結果的に私は20代では転職せず、もう1部署公務員で経験を経たのち、30代で再度転職活動をしました。
結論、20代の頃と比べて、3倍程度の書類選考落ちがありました。
これは、分析するに2つの理由が挙げられます。
- ポテンシャル採用はなくなり、即戦力採用を求めているから
- リーダー経験やマネジメント経験を求めているから
職務経歴書からこういった点を判断され、面接のお呼びがかからなくなったと考えられます。
また、最終的な年収オファーも私の場合は、現状維持か、いくらか安い年収となりました。
この経験から、30代の転職活動に比べて、20代の転職活動の方が圧倒的に有利と言えるでしょう。
公務員の場合、マネジメント経験を積めるのがどうしても年齢が上になってからになります(国家総合職除く)。また、民間で即戦力にできるスキルもつきにくいことから、ポテンシャル採用を狙うなら20代で転職活動を行った方がよいと思いました。
まとめ
ここまで、20代で公務員を辞めたい人が取るべきステップを説明してきました。おさらいです。
- なぜ公務員を辞めたいのかを明確にする
- 辞めたい理由は公務員のままでは解消されないのかを考える
- 公務員を辞めてまでやりたいことを明確にする
- 転職エージェントに相談する
改めて強調したいポイントは、「公務員を辞めてまで解消したい不満がなんなのかを突き詰めること」です。
なお、転職するしないは、活動を進める中で決めたらよいかと思いますが、早い方が選択肢が多いことは間違いないです。
解説したステップをもとに、まずは行動するところから始めてみませんか。
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