民間企業へ転職したいのですが、スキルも実績もなくて不安です
公務員から民間転職した事例を調べても面接100連敗みたいなのが出てきてなかなか踏み出せない
公務員になった時は、「これで定年まで安泰だ」、「定年まで勤め上げるぞ」なんて思うかもしれませんが、実際働いてみると諸々の事情で「辞めたい・・・」、「転職したい・・・」と考えるケースもあると思います。
そう思っても、公務員ではなかなか民間転職が難しいのではないかと考えてしまい、結局、諦めの境地で勤め続けている人も多い印象です。
本記事では、公務員から民間の転職が難しいと言われている理由と、公務員ならではのアピールできるスキルを、民間転職した私の経験談から説明します。
本記事を読めば、民間転職をさほど難しく捉える必要はない、自分にもスキルがあったんだと思えるようになります。
公務員から民間転職が難しいとされている理由
公務員から民間企業への転職はなぜ難しいと言われているのでしょうか。
それは、以下の3点かと思います。
- 公務員自体が民間企業にネガティブな印象を持たれている
- 公務員と同条件の転職先を探してしまう
- 公務員では民間企業で活躍できる専門性やスキルが身につかない
これら3つについて、それぞれ解説していきます。
公務員自体が民間企業にネガティブな印象を持たれている
ご存知のとおり、公務員は世間からよく妬みやバッシングの対象となったりします。それは、一般的に以下のようなイメージを持たれているからです。
- 定時帰りで有休もたくさん取得できる
- マジメだが、融通がきかなくて、杓子定規の対応しかできない
- どんなに仕事ができなくてもクビにならない
世間からこういったイメージを持たれているため、転職市場において、公務員の方はビハインドを背負った状態のままスタートすることになります。
民間企業では、営利活動をして利益を出さなければ存続ができません。そのため、稼いでくれなそうだ、というイメージを持たれてしまうと、転職は難しくなるでしょう。
私が実際に転職活動をした際は、100%なぜ公務員を辞めてまで民間企業に転職するのかという点について、ことさら深掘りして聞かれました。
それは、どの民間企業も前述のイメージを持たれており、公務員を辞めてまでシビアに営利活動できる覚悟があるのかを聞かれているからだと感じました。
公務員と同条件の転職先を探してしまう
一般的に転職を考える場合は、現状にプラスαを望むことが多いかと思います。
確かに、転職を考えているということは、マイナスの状態をプラスに改善したいから、行いますね。しかし、公務員からの転職を考える場合、プラスのものも失いたくないと考えがちです。
例えば、仕事内容に不満があって転職したいのに、公務員時代と同じだけ収入も年休や福利厚生も欲しいといったことです。
あれだけ勉強して公務員になったのだから、それで得たものは失いたくない、という気持ちも十分に理解できます。
もちろん、そういった希望を全て叶える職場も存在するかとは思いますが、最初から全てを望んでしまうと間口が狭くなってしまい、転職活動が行き詰まってしまって、民間転職は難しい、ということになるのかもしれません。
何を解消したいか、自分自身の価値観をきっちり優先順位を付けることができれば、この問題は解決できると思います。
価値観に関しては以下の記事を参考にしてみてください。
公務員では民間企業で活用できる専門性やスキルが身につかない
私が経験している一般行政職、事務職に限って説明をさせていただきますが、事務職では、ジェネラリストとして2〜3年に一度異動しながら、さまざまな部署を経験します。
本人の希望とは裏腹に、全く希望していないところや、分野違いのところに異動することもザラにあります(というか基本そう)。
そのため、ある分野に特化してキャリアを積み上げるということがなかなか難しいです。
また、公務員の業務自体も民間に委託していることが多くあります。
例えば、ホームページの記事更新なども、記事チェックは公務員が行うものの、記事の作成や実際の更新は委託業者などが実施するということもあります。
あくまで管理業務が主となることが多いため、自分で専門的なスキルを使って業務を行っている感覚は薄いかもしれません。
そのため、民間転職を考えたときに、いざ職務経歴書を書こうと思っても、アピールできる専門性やスキルがない!となってしまい、それが、民間転職が難しいと言われている原因の一つだと思います。
公務員がアピールしやすいスキル5選
公務員では、民間転職に活かせるスキルは身につかないのかというと、そうでもありません。
以下のスキルについては、転職活動において十分通用するものと考えます。
- 資料作成力
- 文章力
- 説明力
- 適応力
- 協調性もしくは調整力
それぞれ詳しく解説します。
資料作成力
特に事業系の部署であれば政策等の説明資料を作成する機会が多いと思います。
公務員では、市民に対して、庁内に対して、部長に対して、議員の先生に対して、など相手に合わせた資料作成を日々行なっているため、資料作成の技術は非常に高いと思います。
文章力
公務員であれば、公文書の書き方が身についており、文章能力が非常に高いと感じます。
公文書は市民等にわかりやすく、認識齟齬がないように作成することが求められますが、民間企業でも顧客に対して文書を作成する場合などでは力を発揮できることでしょう。
説明力
資料作成力、文章力と似たような話にはなりますが、公務員は相手に合わせて噛み砕く力も自然と身についているのではないかと思います。
例えば、窓口対応では、市民に対して事前知識がなくてもわかりやすく説明したり、幹部職員に対しては、必要な部分に特化して説明したり。
民間企業の営業でも企画でも、行動を促さなければならない相手がいて、その人にどう説明すれば動いてもらえるか、が重要となりますが、そういった業務に対しては、十分通用するスキルが備わっているでしょう。
適応力
事務系公務員は2〜3年に異動し、畑違いの部門に行っても即順応することが求められます。
また、引き継ぎ期間も十分ではないまま、適応していかなければなりません。
民間企業で言えば、業務や商材、顧客が変化しても十分対応できることの証明になるのではないでしょうか。
引き継ぎ期間について、私のIT業界での経験をお話しします。
私の経験したプロジェクトでは、自社もパートナーも含めて、引き継ぎ期間が1〜2ヶ月ありました。
公務員時代から比べればかなり長い感覚だったので驚きましたが、やはり私にそれだけの期間は不要で、すぐに立ち上がって顧客の信頼を高めた経験があります。
私の実体験からも、公務員の方々は適応力の高さは誇っても良いでしょう。
協調性もしくは調整力
事務系公務員では、スペシャリストよりもジェネラリストが求められていることから、性格や能力に凹凸があるような方というよりかは、どちらかというと満遍ない、平坦な方が望まれているように感じます(あくまで個人の見解です・・)。
また、多くの部門と調整したければ進められず、さまざまな部署の承認をもらいながら、政策を進めることもあるでしょう。
そういったことから、必然的に協調性や調整力が養われるのではないかと思います。
これらのスキルが特に求められる業界や職種をターゲットを絞れば、転職の可能性を大きく上がると思います。
まとめ
公務員から民間の転職が難しいと言われている理由は以下でした。
- 公務員自体が民間企業にネガティブな印象を持たれている
- 公務員と同条件の転職先を探してしまう
- 公務員では民間企業で活躍できる専門性やスキルが身につかない
一方で、公務員ならではのアピールできるスキルもあることを説明しました。
それらのスキルが刺さる業種、職種を絞って適正な自己PRができれば、民間転職の可能性も上がることでしょう。
転職を考えている場合は、以下の記事が参考になります。
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