公務員試験の勉強を頑張って受かっても、公務員が向いてなかったらパァになるなぁ…
親が公務員を勧めてくるけど、自分では向いてないと思うなぁ…
大学生の人気就職先ランキングで上位となる地方公務員ですが、とりあえず公務員を目指して勉強することは、待った方がいいかもしれません。
というのも、公務員になる前となった後のギャップを感じて辞める人を何人も見てきました。
かく言う私もその一人です。仕事の内容ベースでやってみたいと思って公務員になりましたが、性格までは考えてなかったですね(汗
せっかく何百時間も勉強して、理想高く公務員になっても結局合わなくて辞めることになるのはもったいないですよね。
本記事では、元公務員の私の経験談から、公務員に向いている人の特徴6選を解説します。
- 公務員に向いていない人はどんな特徴があるか
- 自分が公務員を目指すべきか
公務員といっても職種は多種多様
みなさんご存知の通り、公務員といっても幅広い分野の仕事があり、職種もさまざまです。
仕事の向き不向きは、職種によっても異なるでしょう。
例えば、国の政策を企画する国家公務員総合職には、リーダーシップや大局観といった、幅広い視点を持って、関係者をまとめ上げるという資質が必要になります。
一方、警察や自衛隊といった専門職では、上の命令にいちいち反応するようなタイプでは、円滑な職務遂行ができなくなる恐れがあります。そのため、従順さといった資質が必要でしょう。
このように、職種によっても必要な資質は異なってきます。
本記事では、都道府県庁勤務の経験から、地方公務員の行政職が向いていない人の特徴にフォーカスして解説します。
地方公務員の行政職が向いていない人の特徴
私が思う地方公務員の行政職が向いていない人の特徴を6つ選んでみました。
- コミュニケーションが苦手
- プライドが高い
- メンタルが弱い
- 大雑把
- やりたいことが明確
- 大きな裁量がほしい
それぞれ詳しくみていきましょう。
特徴①:コミュニケーションが苦手
公務員は究極のサービス業と言われるとおり、人と関わる機会が多いです。
窓口業務はもちろんのこと、政策の企画、実施にあたっては、さまざまな関係者に説明し、納得してもらう、あるいは共同で何かを実施しなければいけないこともあるでしょう。
一方、公務員の中でもコミュニケーションの機会は多いです。
公務員はライン組織なので、上位の役職の方に承認をもらう際には説明が必要ですし、部署や担当によっては、議員の方への説明もあるでしょう。
ということで、黙々と自分一人の仕事をやりたいんだ、という方や、私は人見知りで知らない人に説明なんてできません、という人も向かないかと思います。
ちなみに、厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagのページで仕事能力プロフィールというものがあります。
これをみるとその仕事に必要なスキルや能力、仕事の性質などを知ることができるのですが、地方公務員(行政事務)の仕事の性質のトップは「他者とのかかわり」です。ということで他者との関わりが苦手な人は向かないですね。
基本的に一人で仕事を完結するといったことはないと思います。自分一人でももくもくと資料を作ることもなく、関係者間で何度も調整が入ったりするので、人と調整することが苦手だと苦痛かもしれません。
jobtagはいろいろな仕事の内容や求められるスキルなどが載っていたり、自己診断してその結果と仕事の適性などの比較もできたりするので、見ているだけで楽しいサイトです。興味があればぜひ覗いてみてください。
特徴②:プライドが高い
これは上記の「コミュニケーションが苦手」にも関係する部分がありますが、公務員はサービス業なので、プライドが高いと市民等への対応に横柄さが滲み出て、すぐにクレームが入ったりする要因となるでしょう。
また、プライドが高い人は評価を求めがちになりますが、公務員は基本年功序列のため、自分の頑張りと評価が比例するようなことはないと思います。
そういった意味でも、プライドが高い人は、不満を持つことになるのではないでしょうか。
プライドが高いというわけではないかもしれませんが、上位者より働いているのに、給料が半分だ…と嘆く人は何人も見てきました。。まぁ私なんですが…
特徴③:メンタルが弱い
これも公務員がサービス業によるところにつながりますが、公務員のサービスの対象は当該自治体の全市民や全国民なわけです。
ということは、言い方は良くないかもしれませんが、今までの人生で遭遇したこともないような属性の方から、考えられないようなクレームが来ることもあるわけです。
それに対して、全てに共感し、かまっていては精神がもたないです。
また、公平公正の観点から、ダメなものはダメと押し切れる強さも必要なときがあります。
公務員はメンタル疾患も多いですが、それはやはりある程度のメンタルの強さがないと務まらない仕事に他ならないからでしょう。
特徴④:大雑把
公務員が提供するサービスは、国民や市民からの税金によって成り立っています。
また、個人情報を扱うことも、民間企業よりはるかに多いでしょう。
そういった業務の性質上、特に公文書の作成には細心の注意を払わなければなりません。
誤字脱字がないかは2人以上で声に出して読み合わせをすることはよくあります。
私が経理担当だった時は、Excelの関数で計算したものをさらに電卓で検算し、それを上司が再度電卓で検算するというように、ダブルチェックが徹底されていました。
こういった細かい作業が苦手だと、ストレスが溜まるかもしれません。
よく日本人は高い質のサービスを求めると言いますが、公務員も同じですね。もっとも公務員の仕事は社会的な影響が大きいからある程度は当然ですが…
特徴⑤:やりたいことが明確
大卒程度試験で行政職に採用された場合は、基本的に数年に1度人事異動があります。
過去の経験とは全く別分野に異動することも多く、ジェネラリストとしていろんな部署を経験する(ジョブローテーション)ことになります。
逆にいえば、やりたいこと、やりたい分野があったとしても、その分野にずっととどまることは難しいです。
一方、全く興味のない分野に異動することもあります。
人気の花形部署は人数的にも、評価的にも狭き門だったりするため、異動希望を人気部署で固めても、全然希望じゃないところに異動することになるのです。
というわけで、やりたいことが明確な方は不本意な部署に異動してモチベーションが下がり、向いてないと感じるでしょう。
自治体によっては最初の入庁試験の順位が後まで尾を引くと聞きます。確かに同期で順位が高かった人たちは最初から企画系の部署に配属されてました。
特徴⑥:大きな裁量がほしい
公務員で重要な考え方として、説明責任(アカウンタビリティ)というものがあります。
読んで字の如く、行動に対しては合理的、合法的な説明ができなければなりません。
特に公務員の場合は、個人の行動が組織の判断とみなされる場合もあるため、上司の判断が必要な場合には、自分勝手に判断して行動しないことが重要です。
そのため、自分自身の考えで行動し、自分の裁量で何かをやり遂げたい、という人には全くもって向かないでしょう。
やり手営業マンみたいに独自の手法で売上ゲットだぜ〜みたいなことにはならず、何でもかんでも根回しして調整しながら進めていくことが多いです。
まとめ
公務員に向いていない人の特徴をまとめると以下のとおりです。
- コミュニケーションが苦手
- プライドが高い
- メンタルが弱い
- 大雑把
- やりたいことが明確
- 大きな裁量がほしい
基本的に公務員が以下の性質を持っている、ということを中心に考えていただければ、大外れしないのではないかと思います。
- 公務員は(広義の意味で)サービス業である
- 公務員は税金によりサービスを提供しているので、質の高さが求められる
- 税金を使っていることから、説明責任が重視される
さて、読んでいただいたあなたは公務員に向いていなかったでしょうか。
公務員への就職活動や転職活動の参考となれば幸いです。
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